PCオーディオにハマってみて分かった事がある。オーディオの世界は、実にドツボにハマる、迷宮の森を彷徨い歩く、自己満足極まりない趣味の極意の探求なのだ。ある友人がオーディオ人達のことを言っていた。何だか分からない重たい機材や、とても狂気の沙汰としか思えない、1メートル数万円もするスピーカー・ケーブルまで買い揃えて、一生懸命、自室に引き籠りニタニタしてる人種だと。

オーディオ人にとっては、多分一番の理解者であるはずの音楽ファンからも、音質を聴いて、音楽を楽しまない人たち、と茶化される始末である。PCオーディオにハマるまでは、俺自身も、オーディオ・ファンの家に遊びに行っては、そのCDコレクションの少なさに呆れ、何でいつもいつも、ビル・エバンスやペートーベンばっかり聴いてるのよ？ などと悪態ついていたのだが。

Apple Musicをいかに安価で
美しい音で聴くか、の考察【1】

インターネットもApple MusicもPCも全てデジタルの世界だ。いかんせん、俺の耳は今のところアナログの世界。少なくとも脳や耳奥にマイクロチップを埋め込まない限り、俺の耳はアナログの状態が未来永劫と続く。

となると、音楽とセットの情緒や感情は別として、美しい音を聴く為の電子的物理の一番のカギは、デジタル信号を、どこで、どのようにアナログ信号に変えるか、だと思う。この方法がピンキリなんですね。

♪ 内的DAC

WindowsPCもMacもタブレットもスマホも、そのマザーボードには最初から、オーディオ信号を、デジタルからアナログに変える機能が付いている。だから俺らはパソコンを買えば直ぐに音楽を聴く事が出来る。（Windows以外のデバイスのベース基盤をマザーボードと呼ぶのには、今や少し抵抗があるけどね）

しかし、最初からマザボに標準に載る、デジタル信号をアナログ信号に変えるコンバータ（以下DACと呼ぶ）の品質自体もピンキリだし、そもそもDACがPC筐体の中、しかもマザボ上に固定で共存設置されている事自体、音楽に邪魔なノイズを拾う原因になっている。

WindowsのディスクトップPCの場合だと、マザボ上のPCIスロットに強力なサウンドカードを挿すのも一つの解決策だと思うけど、これにしても、音楽を邪魔するノイズの劇的な軽減にはならないだろう。ノイズカットを謳う製品もあるけど。

♪ DACを外へ

ここ数年、「PCオーディオ」という言葉の浸透と共に、「USB-DAC」と呼ばれる製品が沢山発売されて来た。PCの中でデジタルをアナログに変換するのではなくて、どんなPCにも付いているUSBから、アナログ以前のデジタル信号を横取りして、PCの外付け機器として独立するDACだ。

DACを外付けにする事によって、PC内で発生するノイズを避ける効果がある。まあ、USB信号自体にもノイズは存在するし、DACに使用するチップの優劣もあるんだけど。 俺的には、デジタルをアナログに変換する場所は、出来るだけ川下（スピーカー）近くがいいと思っている。理由は、劣化が無いデジタル信号を可能な限りスピーカー寸前まで引っ張って、ギリギリの崖っ淵でアナログに変換すれば、それだけ美しい音に出会える可能性が増すと思うから。

俺の脳にはマイクロチップは入っていないし、スピーカーは空気を揺らす道具なので、最後はアナログ信号で無いとダメなのが悔しいけど。

♪ USB-DACもピンキリ

※憧れの高級USB-DACの一品
・マランツ「HD-DAC1」　価格.com最安値 74,367円

※FOSTEXというブランド
俺が若い頃からオーディオ界では馴染みのある日本のメーカー「フォスター電機」のブランド。この会社からは安価でシンプルで、デザイン性もいい、面白いUSB-DACガジェットが数機種出ている。せっかくなのでハイレゾ対応版を。

・FOSTEX「PC100USB-HR2」　価格.com最安値 9,520円
アクティブスピーカー（PCのアナログ端子に直接付けられる、アンプを内蔵したスピーカー）に接続するRCAピンジャックと、ヘッドホン端子を装備。前モデル「PC100USB」の改良版ですね。USBから電源を取るので、ACアダプター不要がいい。

・FOSTEX「PC200USB-HR」　価格.com最安値 16,855円
パワーアンプ（15W+15W）も内蔵しているので、パッシブスピーカー（アンプを内蔵していない素のスピーカー）も直接鳴らせます。Windows10やMacのEl Capitanでも動作確認されています。さすがにDC15Vの電源が別に必要。

さてどれにしようかな？

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